日本下肢救済・足病学会誌
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総説
歩行機能温存のための足趾・足部切断の工夫
辻 依子寺師 浩人
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2012 年 4 巻 1 号 p. 31-36

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抄録
CLI (critical limb ischemia,重症下肢虚血)患者にとって,歩行機能の低下は生命予後を悪化させる大きな要因となる.歩行機能を維持するためには,足を長く残す必要があるが,長い治療期間や複数回におよぶ手術はリハビリテーションの妨げとなり,かえって歩行機能を低下させてしまう.断端部の創治癒が遅れる,あるいは創治癒がおこらない理由として,切断による末梢血流の低下があげられる.末梢への血行を考慮した切断を行うためにangiosome の概念を理解する必要がある.末梢への血行は主にangiosome を連携するarterial-arterial connection,中足動脈および趾動脈が担っており,切断時にこれらへの侵襲を最小限にすることが重要である.
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© 2012 日本下肢救済・足病学会
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