抄録
鎖骨下動脈疾患(subclavian artery disease: SCAD)は,他の動脈疾患患者3~10%程度に合併する疾患であり,血行再建を専門に行う施設では,まれな疾患ではない.しかし,その適応はや血行再建に関しては明らかでないことも多い.SCAD に対するprimary stenting は有用であり,長期成績も良好であることが報告されている.しかし,SCAD は頭頸部領域の血管であり,治療に伴う合併症は,時に重篤になりうることを理解しておかなければならない.それゆえ,治療の適応,手技そのものも慎重であるべきである.当院での自験例や過去の文献から,鎖骨下動脈疾患の血管内治療の適応,手技,初期成績,合併症,遠隔期成績について考察する.