抄録
【目的】足潰瘍・足壊疽(以下,足壊疽)患者に対する遊離皮弁術の妥当性について後ろ向きに検討した.【対象と方法】2007年から2010年までの3年間に藤沢市民病院形成外科で入院加療を行なった72例の足壊疽患者を対象とし,遊離皮弁施行群6例と非施行群66例を患者背景や術後経過について比較した.【結果】遊離皮弁施行群は非施行群よりも平均14歳若く,全例コントロール不良な糖尿病を保有していた.1例は感染によって全壊死したが,全例で血管吻合のトラブルは認めなかった.救肢した足で立つことなく死亡した症例,退院後に消息不明になった症例を1例ずつ認めた.【考察】若年者の糖尿病性足壊疽では,比較的安全に遊離皮弁術を施行できると考えられるが,患者自身の治療への積極性(アドヒアランス)を十分に考慮して適応すべきである.遊離皮弁による救肢術の成績向上と適応拡大のためには,集学的なチーム医療が必要である.