日本下肢救済・足病学会誌
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特集:救肢のための非血行再建療法 -血行再建不可能症例・血行再建後遷延する創傷治癒遅延に対する追加治療・今後期待される治療-
重症下肢虚血に対するLDL アフェレシス
大竹 剛靖持田 泰寛守矢 英和日高 寿美小林 修三
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2014 年 6 巻 3 号 p. 116-119

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抄録
重症下肢虚血(CLI)に対しては下肢血流改善のための血行再建治療が必須である.血行再建治療としては血管内治療や外科的バイパス術が行われるが,特に透析患者の下腿病変に対する血行再建は治療後早期の再狭窄や再閉塞が多い.この問題に関し,我々の施設でCLI 透析患者を対象に血管内治療(EVT)単独とEVT + LDL アフェレシスのハイブリッド治療を行い比較検討した結果,EVT + LDL アフェレシスのハイブリッド治療は透析患者の下腿病変の再狭窄予防に有効である可能性が示唆された.狭窄血管の拡張や血流改善を目的とした局所的血行再建治療のみでなく,血液レオロジー改善効果や抗炎症効果を有する全身的治療としてのLDL アフェレシスをEVTとハイブリッドで行うことで,CLI 患者の下肢虚血改善におけるEVT,LDL アフェレシスそれぞれの治療の相乗的効果が期待され,今後さらに試みられるべき治療と考えられた.
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© 2014 日本下肢救済・足病学会
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