抄録
本研究の目的は,小切断患者の歩行特性を捉え「歩き続ける」安全性を確立することである.対象は当院創傷ケアセンターの小切断患者23 名とし,裸足下の自然歩行における足跡接地情報を解析した.結果,非切断肢と切断肢の歩行距離・時間因子に有意差を認め,足圧分布では非切断肢の前足部圧力が最も高値を示した.このことより,小切断患者は足先欠損が起因となり,歩行形態が変化したことで左右非対称性を生じ,非切断肢に足圧リスクを受けていることが懸念された.切断肢の治療は勿論だが,非切断肢も見落とさず留意し,リハビリテーションと装具療法を施行することが小切断患者の足と歩きを守ることに繋がると考える.