抄録
要旨:創傷の局所管理法のなかで創傷被覆材は外用剤とともに重要な位置をしめる.創傷被覆材には多くの素材があり,特に滲出液の吸収力に違いがある.さらに近年では銀含有製材も開発され抗菌作用も考慮した選択が可能となっている.一方で血流低下等により創傷治癒機転が働かない難治性足潰瘍に用いると密閉することによる感染の惹起などを生じる可能性が高い.外用療法も含めて創傷に応じた適切な局所療法を選択することが重要である.本稿では特に下肢の難治性潰瘍に対してどのような場合に創傷被覆材を用いるべきか,用いるべきでないかを概説する.血流低下の潰瘍には創傷被覆材は用いるべきでなく下肢難治性潰瘍に対して創傷被覆材の使用はより慎重であるべきである.