抄録
要旨:【目的】糖尿病足病変の足底圧異常には足関節背屈可動域制限(LA),中足趾節関節可動域制限およびclaw toe(CT)が関与するが,その影響は不明確である.今回,これらの因子が歩行時足底圧へ及ぼす影響を調査した.【方法】対象は,2 型糖尿病患者55 例55 肢であった.N 群(LA・CT なし)27 例27 肢,L 群(LA あり・CT なし)23 例23 肢,LC 群(LA・CT あり)5 例5 肢に分類し歩行時足底圧を比較した.【結果】N 群と比較して,最大足底圧はLC 群で,前足部最大圧はL 群で上昇していた.LA や第一中足趾節関節伸展可動域制限と歩行時足底圧の間に相関がみられた.【まとめ】LA は主に圧分布異常を招き,CT とLA の組み合わせが圧上昇を招く可能性が示唆された.