管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌
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論文
裁量的投資の企業競争優位に与える影響
市川 朋治蜂谷 豊彦
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2010 年 18 巻 2 号 p. 19-39

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抄録

資源ベース理論によれば,企業の競争優位の源泉は企業の所有する経営資源にある.競争優位にある企業は産業の平均的な企業と比較して,特徴のある経営資源を有しており,その特徴は研究開発費,広告宣伝費などの無形資産や生産設備などの有形資産への投資に現れる.本研究ではこれらを裁量的投資と定義し,裁量的投資と企業の競争優位との関係について競争優位の持続性,トレント,平均水準という3つの側面からとらえて検証した.分析の結果,裁量的投資は企業の競争優位と有意な関係があることが発見された.また,裁量的投資には相乗効果,相互補完効果があり,裁量的投資全体の水準(総合力)や個別裁量的投資の歪みによって捉えたこれらの複合的な効果も企業の競争優位に影響力を与えている.

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© 2010 日本管理会計学会
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