2011 年 19 巻 1 号 p. 17-34
近年,企業の多角化が一段と進み,グループ内に事業のライフサイクルや事業特性が大きく異なる事業群が併存するようになったことから,グループ全体のマネジメント・コントロールはますます困難さを増している。グループ本社(CH)が多様な事業部門(BU)の経営状況を的確に把握しながら企業グループ全体の舵取りをしていくためには,グループ戦略の策定をはじめとするCHの機能強化と当該機能を遂行するだけのマネジメント能力の向上が求められている。CHの役割・機能は大きくグループ全体のマネジメント機能とサポート機能の二つに分類することができるが,グループの継続的な成長のためには前者の機能の強化が必要である。本稿では,当該機能を遂行するCHの能力をマネジメント能力と定義し,当該マネジメント能力について,筆者が2008年に実施した質問紙調査のデータに基づき仮説検証型の実証分析を行った。