2012 年 20 巻 2 号 p. 79-96
本研究ノートの目的は,パッケージとしてのマネジメント・コントロール・システムについて,今後の実証研究が首尾一貫した知見を蓄積していくために,現状の研究動向を整理することにある.マネジメント・コントロール・システムの構成要素が相互に関連しながら機能するという現象は,コントロール・パッケージと呼ばれ,近年研究関心の高まりを見せる分野となっている.しかし,やみくもに構成要素間の関係を分析しても,断片的な発見事実を積み重ねるだけで首尾一貫した知見の蓄積に結びつかない恐れがある.そこで,本研究ノートでは,文献サーベイを通じて,これまでのコントロール・パッケージ研究の系譜をたどり,現状の課題と今後の研究展望を検討する.