2012 年 20 巻 2 号 p. 97-107
本論文の目的は,日本管理会計学会2011年度全国大会の統一論題「管理会計研究の現状と課題」における3名の報告者による研究報告の内容を整理し,それらに基づき,また不足する部分を補いながら,近年の管理会計研究の展開を特徴づける視点を見出すとともに,管理会計の研究課題を提示することである。統一論題の研究報告者は,ポイントを得た先行研究のサーベイにより,それぞれの領域における研究動向を要約するとともに,各自の問題意識に基づく研究課題の提案を行った。また,コメンテータの河田信氏からは,「気付き」という共通項を指摘し,組織構成員による創発的な経営への参加が管理会計の研究課題として重要であることが提案された。