2014 年 22 巻 1 号 p. 85-101
近年,ブランドをはじめとする無形資産が企業の業績や価値に大きな影響を与えるという認識が高まっている.本稿では,ブランドが日本企業の業績におよぼす影響を実証的に検討する.このため,ブランド・エクイティを表す指標として日経BPコンサルティング発行の『ブランド・ジャパン』からの3つの指標,認知率,好感率,他にはない魅力率を選択し,企業業績を表す財務値との関係を分析した.この結果,3つの指標のうち,他にはない魅力率が財務値と正の関係があることが明らかになった.他にはない魅力率は,ユニークなブランド連想を示す指標であり,他のブランドから当該ブランドを選択する上で重要であるとの指摘がある.企業業績には,ブランド・エクイティのなかでもユニークなブランド連想が重要であることが示唆された.