2022 年 30 巻 2 号 p. 3-20
本稿は,2021年度日本管理会計学会全国大会(主催校:長崎県立大学佐世保校(リモート開催))の特別企画報告「再び「管理会計のレゾンデートル」について」(2021年8月27日(木))の概要を,それに先行して公表した二編の論文(加登2020, 2021)やここ数年の学会報告も踏まえて取りまとめたものである.管理会計の存在意義の確認が研究遂行上,不可欠であることを強調した後に,管理会計の研究・教育の高度化を達成し,加えて,経営実践での有用性を獲得するために取り組むことが望まれるアクションを示す.具体的には,経営者・経営幹部・他領域の研究者との「対話」を促進すること,管理会計の魅力を広く喧伝すること,管理会計教育の一層の高度化を果たすことなどがある.