2025 年 33 巻 2 号 p. 37-50
本論では,AIおよびDX時代における職業と会計専門職の変化を論じ,会計データサイエンス教育の必要性と課題を明らかにする.DX推進によりデータ活用とAI実用化が進展し,大規模言語モデル(LLM)などの生成AIが多様な分野で活用されている.特にAIは,意思決定やデータ処理などを効率化し,業務プロセスの変革をもたらしている.一方,AIの活用にはブラックボックス性や説明可能性の課題が伴い,これを克服する専門職のスキルが不可欠である.AIとの協働は,自動探索,逐次探索,対話型探索のいずれの場合でも,法規制や会計基準を理解しつつ,AIの結果を実務に活用する能力が求められる.これに対応するため,包括的かつ実践的な会計データサイエンス教育プログラムの構築が必要である.