温室で生産する鉢花の生産計画問題について,経済性の面から検討し,不確定要素について種種の優劣分岐分析を行った.検討の対象として,君子蘭をモデルにし,生産計画期間を有限とした.開花率を考慮し,仕上げ鉢の大きさを4.5号から7号の範囲で互いに排反的な関係にある複数の生産計画案を設定し,これらの案の選択にあたり種子の供給に関する複数の方策を立てた.検討すべき項目は,(1)資本コストの種子の供給の仕方,(2)苗の確保,(3)種子の購入価格と購入間隔,の3項目とした.結果について,(1)は標準利率を考慮し,種子費CSと出荷価格α7に関して,(2)は方策の間で相違する費用に着目し,歩留まり率τと苗費CNに関して,(3)は出荷価格α6,α7に関して,それぞれ平面上の領域で示した.検討で得られた結果としての歩留まり率τ,開花率,出荷価格に関しては,他の鉢花の生産計画の検討にも応用できると考える.