管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌
Online ISSN : 2434-0529
Print ISSN : 0918-7863
研究ノート
継続的改善とキャパシティ・マネジメント : Maguire and Heathによる最適なキャパシティの利用について
山北 晴雄
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 9 巻 2 号 p. 65-75

詳細
抄録

企業における継続的改善は,全体最適を目指してムダの除去を図ると同時に,顧客満足を実現するために必要な柔軟性を確保しなければならない.一方,企業が保有するキャパシティや未利用キャパシティを効果的にマネジメントしていくことは,国際的な競争環境の中で持続可能な競争優位を維持していくために欠かせない.その際,企業が選択するキャパシティの定義づけの中に,継続的改善を進める仕組みが組み込まれていることが必要である.企業にもたらされる利益は,各製品やサービスの貢献利益と変動製品原価以外のコストとの間のトレードオフによって決定されるが,最大の利益を実現するために企業が選択するキャパシティの利用水準は,この最適なトレードオフに一致しなければならない.したがって,選択すべきキャパシティ概念は,持続と柔軟性の維持を組み込んだ最適なキャパシティの利用水準に基礎を置くことが求められる.

著者関連情報
© 2001 日本管理会計学会
前の記事 次の記事
feedback
Top