抄録
本研究は,従来の社会性診断,環境性診断,あるいはCSR診断ではカバーできなくなった企業経営の新しい存立条件をサスティナビリティとしてとらえ,その診断的枠組を提示することを目的とする。企業活動が売り手よし,買い手よし,世間よしの3側面に与えるインパクトを分析・評価することで,企業のサスティナビリティ度を判断できると考える。すなわち,マーケティング3.0の統合的な把握である。具体例として,食品企業における共有価値の創造について紹介し,そのなかでバリューチェーンによる戦略的サスティナビリティの検討を行った。