日本経営診断学会論集
Online ISSN : 1882-4544
ISSN-L : 1882-4544
13 巻
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  • 福田 康典
    原稿種別: 自由論題
    2013 年13 巻 p. 1-6
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/07/30
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は,経営診断の領域でも近年注目されるようになってきた価値共創概念の概念的なレビューを通じて,価値共創に関する研究の現状を明らかにすることである。価値共創にかかわる既存研究をレビューした結果,価値共創として論じられているものには二つの価値共創概念(選択的価値共創と本質的価値共創)が混在していることが明らかとなった。また,価値共創過程における顧客の役割と学習の2点についてこれら二つの価値共創の特性をさらに掘り下げて検討した結果,本質的価値共創は,伝統的な企業と顧客の役割区分に縛られない新しい関係構図に基づいており,四つの側面をもつ複合的な学習過程として概念化することができるということが示された。最後に,本研究結果の経営診断上のインプリケーションが検討された。
  • 山本 勝, 史 文珍, 永井 昌寛, 横山 淳一
    原稿種別: 自由論題
    2013 年13 巻 p. 7-12
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/07/30
    ジャーナル フリー
    これからの少子高齢社会において,住民の健康で幸せな社会,すなわち「健幸社会」を支えるための持続可能な地域包括ケアシステムの基本理念とその推進方策についてシステム・マネジメント論の立場から考察と提案を行う。とくに,地域包括ケアシステムの構築とその運営にかかわる「産・学・官・民」の4者の連携・協働を中核とした地域包括ケアシステムのあるべき姿とそのシステム化推推理念・方針・戦略ならびに主な具体化方策(連携・協働システム,情報化推進,人材育成,資源の共有化,意識改革,システム評価,など)について総合的かつ実践的な考察ならびに提言を行う。
  • —企業効率性の視点を越えた中小企業の製品開発・販売活動—
    川崎 綾子
    原稿種別: 大学院生コーナー
    2013 年13 巻 p. 13-17
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/07/30
    ジャーナル フリー
    企業にとっての効率性を実現する業界構造や企業行動が,革新的な顧客価値の創出の妨げとなっている業界においては,既存の戦略視点に加えて新たな視点が要求される。特に衰退している耐久財産業における中小企業の場合,顧客に価値を認められる新製品やサービスを生み出せるか否かが企業体の存続にかかわる。そこで本稿では,顧客価値創出の妨げになっている行動,すなわち業界構造や慣行をあぶり出し,そうした行動とは革新的に異なる活動を実行する視点(フレームワーク)が,顧客価値を生み出すために必要であると考える。この視点の有効性を,企業効率性重視の行動や業界構造が見受けられる耐久財産業において,中小企業の事例を通して検討した。
  • —戦略的サスティナビリティの考察—
    山崎 康夫, 吉本 準一
    原稿種別: 共同プロジェクト研究
    2013 年13 巻 p. 18-23
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/07/30
    ジャーナル フリー
    本研究は,従来の社会性診断,環境性診断,あるいはCSR診断ではカバーできなくなった企業経営の新しい存立条件をサスティナビリティとしてとらえ,その診断的枠組を提示することを目的とする。企業活動が売り手よし,買い手よし,世間よしの3側面に与えるインパクトを分析・評価することで,企業のサスティナビリティ度を判断できると考える。すなわち,マーケティング3.0の統合的な把握である。具体例として,食品企業における共有価値の創造について紹介し,そのなかでバリューチェーンによる戦略的サスティナビリティの検討を行った。
  • 横山 淳一, 山本 勝
    原稿種別: 自由論題
    2013 年13 巻 p. 24-30
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/07/30
    ジャーナル フリー
    本研究では,筆者らが2003年より10年にわたりかかわってきた知多半島地域職域連携推進事業を分析対象として,保健分野における地域職域連携推進事業の長期的な視点で問題構造を明らかにした。特に,地域職域連携推進事業の核となっているワーキンググループ(作業部会)に着目し,ワーキンググループメンバー,ワーキング会議の内容,会議の開催頻度および開催時期,などのデータから分析を試みた。さらに,明らかになった問題構造をもとに,現在の地域職域連携推進事業を改善するための方策について提案した。
  • 前田 進
    原稿種別: 自由論題
    2013 年13 巻 p. 31-36
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/07/30
    ジャーナル フリー
    本稿は,商店街の地域資源を用いた価値共創と再構の視点からアプローチする。まず,商店街の衰退はマーケティング・マネジメントの発想の脆弱さにあることを指摘し,次に商店街のマーケティング・マネジメントの枠組みを提示する。そのうえで,マーケティングの新たな動きをレビューし,ニュー・マーケティング・ロジックの商店街のマーケティング・マネジメントへの適用性について考察する。そのなかから,資源を使った価値共創と関係性の理論を導入し,商店街は顧客・利用者の固有の体験価値を共創(co-creation)することが,競争優位の源泉となるということを主張する。そして,そのために,地域資源を活用し,商店街と地域のコミュニティが協働して,社会生態系のプラットフォームとして商店街を再構(re-creation)することが鍵となることを強調する。
  • —診断報酬有償化によるサービス品質向上—
    川村 悟
    原稿種別: 事例研究
    2013 年13 巻 p. 37-43
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/07/30
    ジャーナル フリー
    中小企業診断士には,フリーランスとして活躍する「独立診断士」,企業に所属する「企業内診断士」という二つの属性がある。後者の企業内診断士は,所属企業の副業禁止規定によって,企業外において診断サービスを提供しても,有償で活動を行うことが難しい。したがって,無償の診断を余儀なくされ,サービス品質を向上しにくい問題が存在する。本報告では,診断報酬の有償化によって企業内診断士のサービス品質向上が実現できることを検証する。有償化が引き金となり,「企業内診断士のモチベーション向上」と「中小企業の要求品質向上」が相互に作用する好循環が生まれ,中小企業診断士の専門性発揮や中小企業の経営改善に貢献しうる可能性を示す。
  • 藤井 一郎
    原稿種別: 自由論題
    2013 年13 巻 p. 44-49
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/07/30
    ジャーナル フリー
    中小企業金融では,金融機関が中小企業との接触などによって得られた非財務情報をもとに融資判断を行うリレーションシップバンキングが果たす役割は大きい。経営革新計画承認企業のような企業家的な経営を行う企業においても,金融機関と接触することで伝えるべき情報は多いであろう。本研究では,経営革新計画承認企業が金融機関と接触を行う際に発生するであろう抵抗感に影響を及ぼす要因を,質問紙調査を行うことで実証的に分析した。その結果,柔軟な組織特性が高まるほど,接触に対する心理的抵抗感を弱めることが判明した。また,金融機関担当者が企業を訪問する頻度が増加するほど,その程度が強くなることが検証された。
  • —金型製作を事例とした探索的研究—
    山本 聡
    原稿種別: 自由論題
    2013 年13 巻 p. 63-68
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    中小部品企業は金型製作をはじめとした高い成形・加工技術を有し,国内製造業における国際競争力の基盤とされてきた。加えて,その技術的な優位性は暗黙知といった言葉で表現されてきた。しかし,近年の市場環境の変化は,中小部品企業が保有・構築する技術の中身とそこに付帯する経営体制に変化を生じさせている。本論では技能など暗黙知と対極にある概念として,測定・解析や因果関係,再現性の確立といった「科学的知識」に着目する。そのうえで,中小部品企業が自社の経営・製造現場になぜ,どのように科学的知識を導入したか,そのプロセスを金型製作を事例として探索的に分析・解明し,仮説的分析枠組みを提示する。
  • グェン トゥイ リン, 加藤 里美
    原稿種別: 投稿論文
    2013 年13 巻 p. 50-56
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/11/20
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は,対日オフショア開発受注のベトナム人ソフトウェア技術者が発注先である日本の仕事のやり方に対してどのような考えを持っているのか,また現在の仕事に対してどの程度の満足を持っているのかを明らかにすることである。研究手法として,ベトナム最大手のIT企業であるFPTにおける対日オフショア開発受注ソフトウェア技術者と対米オフショア開発受注ソフトウェア技術者に質問紙調査を行い,仕事のやり方に関する意識比較を行った。その結果,対日オフショア開発受注ソフトウェア技術者のほうが対米オフショア開発受注ソフトウェア技術者よりも品質の要求,仕様変更,納期の厳守,プロジェクトの進め方に無理があると考えていることが明らかになった。
  • 永井 昌寛
    原稿種別: 自由論題
    2013 年13 巻 p. 57-62
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/11/20
    ジャーナル フリー
    地域において住民のQOL向上を目指したさまざまな保健医療福祉情報システムが構築されている。しかしながら,それら多くのシステムは住民から発信される情報が十分に活用されていないのが現状である。住民からの発信情報をより有効に活用すれば,さらに住民にとって望ましい保健医療福祉情報システムが構築できるという考えから,保健医療福祉分野における情報システムの現状,および,住民を取り巻く社会動向・社会ニーズ・問題点などを分析し,住民情報を積極的に活用した保健医療福祉情報システムを設計し,そのあり方・特徴(メリットなど)について考察する。また,事例研究を通じて住民情報を活用した情報システム構築のメリット・課題などについて論ずる。
  • 庞 箫明, 石井 成美, 近藤 高司
    原稿種別: 大学院生コーナー
    2013 年13 巻 p. 69-74
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/11/20
    ジャーナル フリー
    中国製造企業では,経営環境の急変と政府政策の後押しによって,グローバル化やIT経営に対しては積極的な傾向にある。しかし,経営管理の仕組みが不完備および認識不足,経営体制の改革遅れ,グローバルIT経営の人材不足,グローバル化基準に欠けるなどの原因で,IT経営はいまだ十分効率的に働いておらず,これが現在製造企業の重要な課題となっている。本研究では,中国製造企業におけるIT経営のケースを分析しながら課題の抽出と対策を提言するものである。
  • 舘岡 康雄, 森下 あや子
    原稿種別: 自由論題
    2013 年13 巻 p. 88-93
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/11/20
    ジャーナル フリー
    経営活動においては,一般に単体(個人,企業,国家)が基本となり,競争を前提に収益をあげながら社会に貢献することが求められている。しかし,筆者が提唱しているように,世の中は今大きく変化しつつあり,リザルトパラダイム(結果を重視するあり方)からプロセスパラダイム(過程を共有しながらイノベーションが起こるプロセスを重視するあり方)に移行している。戦略や実践から会議の進め方に至るまで,あらゆる領域においてプロセスパラダイム的取り組みを行っている企業が社員のモチベーションを高め,組織変革に成功し,継続的に高いパフォーマンスを生み出している。この場合,そのような組織は,単体に注目するのではなく,単体と単体の関係性を高めることに注力している。本研究では,関係性を重視したマネジメントの概念規定を提案したい。また,その概念が持続可能性に関しても関係が深いことを示す。
  • —JGSS累積データ2000~2010より—
    大橋 正彦
    原稿種別: 自由論題
    2013 年13 巻 p. 94-99
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/11/20
    ジャーナル フリー
    本研究は,JGSS(日本版総合的社会調査)における累積データ2000~2010によって,わが国消費者におけるソーラーパネルなど主要グリーン製品利用とそれらの変化について分析し,かつそれぞれの規定因を解明した。そのうえで経営診断上の留意点を提起した。結論的に,各グリーン製品利用にいずれもほとんど変化が認められなかった。他方,これらの製品は,共通して地域ブロック,住宅所有・居住形態および生協加入有無などに大きく規定されることがわかった。
  • —探索的検討:医療ニーズの知識情報移転プロセスを捉える分析的視点—
    西平 守秀, 名取 隆
    原稿種別: 投稿論文
    2013 年13 巻 p. 75-81
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/11/22
    ジャーナル フリー
    中小企業が医療機器の研究開発を行う際,医工連携の形で進めるのが一般的である。しかし,医療機器の医工連携については社会科学的な視点で十分な議論がなされていない。そこで,本稿では既存の概念,より具体的にはユーザ・イノベーションおよび知識通訳者の両概念に基づき,医工連携の知識情報移転プロセスを把握可能な分析的視点を試行的に提示した。そして本分析的視点に基づき事例分析を試みた結果,本分析的視点によって医工連携の知識情報移転プロセスを俯瞰的に観察できる可能性が示唆された。しかし,同時にその分析的視点における検討すべき課題も明らかになった。
  • 田村 隆善, 小島 貢利
    原稿種別: 自由論題
    2013 年13 巻 p. 82-87
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/11/22
    ジャーナル フリー
    トヨタ生産方式は,2本の柱とそれらを支える一つの基礎を基本要素としている。2本の柱はJITと自働化であり,基礎は平準化である。JITを実現するためのかんばん方式に関しては多く研究が行われてきたが,平準化の効果については,製品投入順序づけ問題を除いてあまり研究されていない。一方,生産計画立案の標準的方法はMRPといえる。MRPは,需要に関する事前情報が利用できる場合,有効なツールとされる。本研究では,需要の事前情報がある程度利用可能な場合における平準化手順を提案し,シミュレーションを使った数値実験によって,MRP方式と提案手法との性能比較を行う。また,かんばん方式との性能比較,ならびに需要の事前情報の効果についても議論する。
  • 吉成 亮, 山本 勝
    原稿種別: 自由論題
    2013 年13 巻 p. 100-106
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/11/22
    ジャーナル フリー
    企業は人材を育成するためにさまざまな手法を駆使し,企業業績に貢献しようとする。中小企業もその例外ではないが,中小企業はOJTの実施に積極的であるものの,Off-JTの実施に消極的であることが多い。その理由は,中小企業にとってOff-JTは費用や時間面で負担が大きいからである。それゆえ中小企業は比較的負担の少ないOJTを選択する。本論では企業の人材育成手法に関する議論を整理し,中小企業のニーズに見合う人材育成,特に中小企業のOJTとの組み合わせに適切なOff-JTを考察する。中小企業にOff-JTを積極的に提供しているトラック協会と中小企業大学校の中心的研修内容を比較し診断し,この診断結果から中小企業のニーズに見合う人材育成の一つとして,中小企業のOJTと組み合わせに適切な,具体的かつ特殊な能力を身につける企業外Off-JTの内容を検討し,本論の結論にしたい。
  • 史 文珍, 山本 勝
    原稿種別: 大学院生コーナー
    2013 年13 巻 p. 107-113
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/01/22
    ジャーナル フリー
    少子高齢社会において,健康で幸せな地域社会づくりを推進していくためには,人が人を支える(協力・連携・協働)とともに,人に優しい「地域包括ケアシステム」の構築および円滑な運営が不可欠となってくる。そして,そのためには,合理的・技術的な「理」の面とともに,礼儀・マナー・人間性・態度・感情など「情」の面とのバランスがとれたシステムづくりが極めて重要となってくる。そこで,本研究においては,2千年以上も昔から人間社会における諸問題解決に高い評価を得ている孔子思想(論語)を,システム・マネジメント論の立場から体系化した結果に基づいて提案した孔子的システムズ・アプローチ[4]を,上述の地域包括ケアシステムの構築ならびに運営に応用するとともに,その構築理念・方針および具体的な推進手順について考察ならびに提言を行う。
  • —日中移転価格税制に関する比較からのアプローチ—
    鮑 慧
    原稿種別: 投稿論文
    2013 年13 巻 p. 114-122
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/11/22
    ジャーナル フリー
    本稿は日本企業が海外進出や海外関連会社と取引を行う際に存在する移転価格の問題について検討する。特に日中移転価格税制の相違を認識する必要性を実証データに基づいて指摘しつつ,これらの問題への対策や,各国の課税庁が推薦している事前確認制度の有用性の有無を総合的に論述し,経営診断上,移転価格をどう取り扱うべきかについて論究する。最後に,日本企業が海外関連会社との取引を行う際の意思決定までの移転価格のリスクを踏まえた経営診断フレームワークを提言する。
  • —研究開発担当者に向けてのIM—
    高橋 昭夫, 上原 義子
    原稿種別: 共同プロジェクト研究
    2013 年13 巻 p. 123-127
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/11/27
    ジャーナル フリー
    本共同プロジェクト研究の最終的な目的は,インターナル・マーケティング(IM)に関する実証的研究を通して,IMに関する理論を構築するとともに,その理論に立脚したIMの診断方法を確立することである。これまで,IMに関する実証的研究は少ないばかりでなく,そのほとんどがサービス産業の領域で行われたものであった。そこで,本共同プロジェクト研究は,サービス産業における接客担当者ではなく,製造業における研究開発担当者を対象とするIMについて検討を加え,その有効性を経験的に確認した。これによりサービス産業に限定しないIMの理論構築と診断のための基礎が提供されたことになる。
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