トヨタ生産方式は,2本の柱とそれらを支える一つの基礎を基本要素としている。2本の柱はJITと自働化であり,基礎は平準化である。JITを実現するためのかんばん方式に関しては多く研究が行われてきたが,平準化の効果については,製品投入順序づけ問題を除いてあまり研究されていない。一方,生産計画立案の標準的方法はMRPといえる。MRPは,需要に関する事前情報が利用できる場合,有効なツールとされる。本研究では,需要の事前情報がある程度利用可能な場合における平準化手順を提案し,シミュレーションを使った数値実験によって,MRP方式と提案手法との性能比較を行う。また,かんばん方式との性能比較,ならびに需要の事前情報の効果についても議論する。