2014 年 14 巻 p. 71-76
本研究では工作機械産業における熟練技能人材育成のために,技能依存度や現状での教育の時期などからそれぞれの作業の重みづけを行うことで,どのような時期に,どのような作業を,どのような方法で教育していくと人材育成が加速化されるかを明らかにした。結果,人材育成加速化のための作業分類を提案するなかで,「OJTでの教育が効率的な作業群」「Off-JT併用によって教育の加速化が可能な作業」「熟練技能のまま伝承する高度熟練技能群」に分類可能であることが導き出された。この分類によって熟練技能教育プログラム構築のうえでOff-JT併用による熟練技能人材育成の加速化の指針を示すとともに,「熟練技能として存続する作業」すなわちわが国の競争優位性としての高度熟練技能の存在を強調した。