抄録
エスノグラフィは,主に文化人類学などの学術分野において観察手法として用いられていた。近年,これを実践的な診断技術として導入する動きが大企業を中心に増えており,実務面での注目が高まっている。まず,本稿では大企業においてどのようにエスノグラフィが実践されているかを整理する。本研究の目的は,実務的に発展途上であるエスノグラフィをいち早く中小企業向けに導入することが可能かどうかを検討することである。診断事例を通じて,従来の定量分析では得られない有効性がエスノグラフィには存在するとともに,中小企業向けに適用するには収益性に留意しなければならないことを明らかにする。