抄録
本論文の目的は,旅行者として日本を訪れてくれると考えられる中国人に焦点を当てて,日本への旅行に関する期待レベルと実際の満足レベルの関係を明らかにしていくことである。具体的には,以下の仮説を検証する。仮説:中国人の日本への旅行に関する意識は,期待レベルよりも実際の満足レベルが高い。中国人への調査は,2015年2月13日~3月23日にかけて吉林省長春市青年商務旅行社で行われた。仮説検証の結果,日本に行ったことのある人の満足レベルが日本に行ったことのない人の期待レベルよりも統計的に有意に高いものは,温泉(5%水準),おもてなし(10%水準)であった。これらの項目では,仮説が支持されたということができるだろう。