2017 年 17 巻 p. 27-33
本研究では,豊田市の病院の退院患者を対象として,ケアすべき患者の社会的要因の抽出を試みることで,効果的な退院支援について考察を行った。患者の置かれる生活背景や在宅療養に対する意識の観点から在院日数に着目して分析を行った結果,退院支援において退院後の環境を調整していくうえで,家族以外にキーパーソンとなる在宅療養者を決め,患者に関する情報の受け渡しを積極的に行っていくことの重要性が示唆された。また,患者を退院させて関係性を終わりにするのではなく,退院時の状況把握を正確に行っていくことが,在宅療養推進の鍵となることが示唆された。