2017 年 17 巻 p. 48-54
電子書籍サービス等のデジタル・コンテンツ提供サービスでは,従来の有形グッズの所有とは異なり,利用者は所有対象に対する所有権を持たない。本研究では,これらのサービスが作り出す不安定な所有の状況に対する消費者の意識と反応,またサービスの一環として提供される,所有権を伴わない消費対象に対し所有意識を持つケースがあることを明らかとした。この結果は従来のデジタル・コンテンツおよびアクセス・ベース消費の研究を補完し,サービスの価値や利用者の満足度に関する経営診断に新たな知見を与える可能性を開く。