抄録
最近,IoT(internet of things)が話題となり,日本の新聞でも企業買収等に関連して取り上げられ,総務省の「平成28年度情報通信白書」のテーマともなっている。IoTは,インターネットによって,ひとがつながり,ものがつながり,データを共有し,またデータを利活用することによって,製品や社会やライフスタイルが変わるというのである。データの利活用や意思決定に関しては,ビッグデータ解析やAI(artificial intelligence:人工知能)の技術がIoTに関連した技術として注目されている。IoTの進展は,企業経営における製品開発,R&D,マーケティング,製造,アフターサービスの変革を引き起こし,社会環境の変化と併せて経営診断のパラダイムを変化させると予想される。そこで本研究では,IoTの話題を概観し,IoTが経営診断のパラダイムに与える影響について考察する。