2019 年 18 巻 p. 109-114
中小企業診断の担い手が時代とともにどのように移り変わったのかという点を中心として,中小企業診断士に関わる史的事実を整理・記述する。第一期は太平洋戦争終戦から1950年代であり,中小企業庁が経営診断を模索しながら地方自治体が担い手となる官主体の診断が展開された。第二期は1960年代から1990年代前半であり,官主体の診断が継続されながらも,コンサルティング会社の成長や資格ブームによって,民間活用の下地が整う移行期と言える。第三期は1990年代後半から現在であり,公務員による診断の衰退や中小企業支援法施行によって,名実ともに中小企業診断の担い手は民主導となった。上記時代区分を民間の動向を交えて整理した点が本研究の意義である。