日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
肉用種鶏育成用飼料に関する研究
VI. 高エネルギーおよび隔日給与の効果について
持田 行盛緒方 国幸秋元 博一吉田 実
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1972 年 9 巻 1 号 p. 40-45

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抄録
肉用種鶏育成飼料に関する研究を農林省畜産試験場と各県養鶏試験場との協同研究としてとりあげているが, その第VI報として, 第II報の実験605の探索実験を規模拡大し, 高エネルギー飼料の効果および飼料の隔日給与の効果について検討した。
実験は, 1968年4月ふ化の白色ロック種A系統およびJ系統480羽を用い, 育成期 (8~24週齢) およびその後の産卵期 (24~60週齢) にわたって, 大阪, 熊本および鹿児島の各養鶏試験場で実施した。その結果を要約すると次のとおりである。
1. 育成期に高エネルギー飼料を給与すると対照飼料区に比し, 飼料摂取量は81.3%, 24週齢時体重は88.1%であった。初産日齢は21日おくれたが, 産卵成績に悪影響はなかった。
2. 育成期に飼料を隔日給与すると連日給与区に比し, 飼料摂取量は88.2%, 24週齢時体重は83.2%に抑制され, 初産日齢は18日おくれたが, その効果は産卵期には残存せず, 悪影響はみられなかった。
3. 育成期, 産卵期を通じて飼料を隔日給与すると連日給与区に比し, 飼料摂取量は90.1%, 24週齢時体重は90.9%に抑制された。初産日齢は17日おくれ, 44週齢92.3%で, 生存率, 産卵率, 飼料要求率, ふ化等に大差はみられず, 種卵1個当りの飼料費では1.3円安かった。
4. 育成期に高エネルギー飼料と隔日給与を組合せると対照飼料の連日給与区に比し, 飼料摂取量は69.0%,24週齢時体重は55.9%に抑制され, 高エネルギー飼料の給与による過肥や, 隔日給与による生理的異常はおこらず, 産卵成績に悪影響はみとめられなかった。
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