2019 年 19 巻 p. 64-70
中小企業診断士の属性には,「独立診断士」と「企業内診断士」の2種類がある。独立診断士は一定数の人々が目標とするキャリアであるが,その実態は十分に明らかにされていない。そこで,企業内診断士との比較を交え,統計的な観点から考察していく。独立診断士を目指す人々などの利害関係者に貢献することが研究目的である。第一に企業内診断士を経て独立診断士に至るキャリアパスの存在を統計が示唆すること,第二に資格を志す当初から独立志向が強く,自営を見据えたキャリア形成を実践する者が存在すること,第三に中小企業支援や経営診断の場において独立診断士は多大な貢献を果たしていることが明らかとなった。