2023 年 23 巻 p. 90-96
近年,企業で社会的責任に関する取り組みが活発に行われている。制度理論によれば,企業がCSR活動を行う意図は社会に貢献することだけでなく,「社会的正当性」を追求することにもある。企業のCSR活動を同型化プロセスとして捉えた場合,DiMaggio and Powellが提示した強制的圧力,規範的圧力ならびに模倣的圧力の3種類の圧力からCSR活動は発生すると考えられる。本稿ではNestlé S.A.およびUCCグループを事例研究の対象とし,企業のCSR活動に与える影響を企業が採用するビジネスモデルおよび同型化圧力の視点から分析した。その結果,強制的圧力と模倣的圧力は水平分業型ビジネスモデルのほうが強く,規範的圧力は垂直統合型ビジネスモデルのほうが強いという仮説を検証した。