経営診断に際し,企業の戦略方針は重要な指針の一つである。本論では,現代の企業がどのような戦略方針でマーケティングを進めているのかを把握するために,既存研究での戦略に関する考え方を整理したうえで,企業のマーケティング管理者による戦略方針の捉え方の実態を調査・分析した。分析では,企業の業種と企業規模により戦略方針に違いが発生することを仮説として設定した。分析の結果,マーケティング管理者による戦略方針の意識は,特定の項目に偏ることがないこと,また,業種間,企業規模間の属性の差異により有意な差のある方針が存在することを確認した。