2024 年 24 巻 p. 21-27
日本政策金融公庫総合研究所の「2023年度新規開業実態調査」によると,開業者に占める女性の割合は過去最高となっているものの,未だに24.8%という低さである[1]。背景の1つに,社会的性差による非力感が考えられる。非力感の払拭には自己効力感の醸成が不可欠だが,醸成には時間がかかり,支援者の時間的負担も増加する。本稿は,非力感に陥った女性起業家をエンパワーメントすることに焦点を当てた支援メソッドと支援ツールを開発し,それらを活用した支援事例を示すことで,支援者の一助とし,女性起業家を増加させることを目的とする。女性起業家のエンパワーメントのプロセスの解明には,M-GTA分析を使用する。