2025 年 25 巻 p. 104-109
本稿は,商品売買時の取引の送料(先方負担)の仕訳について,従来の収益費用アプローチの仕訳と収益認識会計基準に基づく処理の相違に着目して比較検討を行ったものである。収益認識会計基準における仕訳は,複式簿記における仕訳に照らしてみると,理論的な整合性に課題があると考えられる。また,同基準の理論的基礎である資産負債アプローチは,複式簿記による仕訳を軽視する傾向がある。そこで本稿では,収益認識会計基準における発送費の借方計上の簿記会計学理論上の問題を提起する。さらに,中小企業の実務的観点からその影響も考察した。