抄録
本研究では 「企業者ネットワーキング」 理論を用いることで, 大規模組織を前提としたNonprofit Management理論では説明できない, NPOのマネジメント・サービスの多元化という事象の分析を行った。歴史的視点を取り入れながら中間支援NPOの生成と展開をみることで, NPOマネジメントはネットワーキングの 「パラドクス」 の中にあることを明らかにした。NPOはネットワーキングという社会変革の 「運動性」 を内包している。そのため, 組織マネジメントにおいて市場志向のサービスを導入するだけでは有効に機能しない。対極的ともいえる内部組織志向のサービスの重要性を論じた。