抄録
組織における情報セキュリティ政策は, IT, ワークスタイル, 個人情報保護法, などに起因して変化し, 高度・複雑化したセキュリティ技術の有効活用の課題に直面している。従来, 施設管理と情報システムに分かれて行われた情報セキュリティ政策は, 情報機器やネットワークの遍在化, 物理情報と電子情報の融合などによりその境界区分が困難となり, 担当部門による部分最適の追及は全体としてのセキュリティホールの存在を見過ごしやすい。しかし両部門の固有業務の違いにより業務や部門の統合は行いづらい。本研究は, 情報セキュリティプラットフォームとしてのICカードの導入による, 部門間の業務連携に関する研究報告である。