抄録
企業が消費者ならびに利害関係者とのコミュニケーションを交わすにあたり, その企業独自の何らかの基軸に従い, そして一貫性を持たせなくては, 激烈な競争環境を生き残ることは不可能であろう。そのためには, コミュニケーション活動の統合化が不可欠となる。本稿では, 統合化に向けた2つの視点, すなわち, 製品コンセプトを基軸とした水平的統合と企業理念を基軸とした垂直的統合の観点から考察を行う。究極的にいえば, 製品レベルでの消費者とのコミュニケーション活動の在り様とは, 企業の根本的な価値である企業理念の具現化であるといえよう。