抄録
本研究は, 状況対応リーダーシップ理論の主要なファクターである部下のレデイネスレベルを, 目標管理の目標難易度の決定と上司の理想的リーダーシップへの行動変容に応用し, 旧CIS諸国で検証した事例研究である。現在, 目標管理は日本を含め, 欧米の企業では良く知られた組織管理手法であり, 目標管理のKSF (Key Success Factor) である目標難易度の設定に関しても, ノウハウの蓄積がある。しかし, ウズベキスタン, カザフスタン等の旧CIS諸国では, 目標管理の導入期であり, 目標難易度の設定に関する経験が圧倒的に不足している。本研究は, これらの問題点を解決すべく提示されたものであり, 部下のレデイネスレベルの情報を活用することにより目標管理における目標難易度を容易に設定できる方法と, 達成度評価事例を紹介する。併せて, 状況対応リーダーシップとの関連についても考察する。