抄録
多数の説明変数から最適条件を決定したり,目的値の推定や予測を精度よく得るために行われる各種の診断プロセスは,工学に限らず社会科学領域全てにわたり重要である。本研究では,工学界で使用される品質管理手法の一つである「品質工学」の方法論を用い,定性的ないし経験的に診断・決定される対象である医学診断や,不動産取引における景観の価値診断に対し適用を行い,診断の定量化をはかった。多変数を一元量であるマハラノビスの距離に縮約し,情報量をS/N比によりノイズを落とすことで,精度あるパターンとして定量化することが可能である。