2010 年 9 巻 p. 11-16
ものづくりを行う大企業では,3次元CAD(CAD/Computer Aided Design)システムを用いたデジタルエンジニアリングによって,開発速度を速め,同時に情報の一元化を行っているが,部品などの製造工程を受け持つこととなる中小企業では,大企業から受注する製作案件について,互換性のある3次元CADデータを取り扱わなければならない。しかしながら,中小企業が高価な3次元CADシステムを配備する際には,採算性などを勘案した経営判断を要する。本研究では,地域に仮想CADセンタを設立することで,ものづくりを行っている中小企業が3次元CADシステムを共用し,大企業各社から設計情報として3次元CADデータを受け取るビジネスモデルについて考察し,中小企業の効果的な3次元CADシステム導入の方法について提案する。