中小企業は,技術開発・新製品開発・製品の付加価値化・新分野進出などの戦略展開を模索することで,売上確保を実施しようとしている。しかし,限られた経営資源のため実施が,困難を極めている。そこで,最近では企業間の協調を通じて新たな価値を創造する動きが出ている。企業間提携である。中でも中小製造業が主に行っているOEM に視点をおくことにした。先行研究では,提携および戦略的提携の概念,目的,手法について検討する。そして,OEMについての先行文献から分析視座を見いだしていく。そこで,本稿では,受動的視点での単なるOEM ではなく,能動的視点に立った戦略的OEM への展開について診断事例を通して考察する。