2010 年 9 巻 p. 172-178
現在,日本においては少子高齢社会の到来,疾病構造の変化,家族構成の変化により,住民の保健・医療・福祉 (介護)サービスに対するニーズが多様化している。そのニーズに対応するためには,各サービスが個別に住民に対して提供される従来の形態ではなく,保健・医療・福祉サービス提供者が互いに連携をとり,住民に対し最適なサービスを一体的に提供していく必要がある。このようなシステムを地域包括ケアシステムという。地域包括ケアシステム構築においては,保健・医療・福祉サービス提供者間での分野を越えた円滑な連携が重要な要素となっているが,分野を越えての円滑な連携にはうまくいかないケースが多い。本研究では,豊田市を事例にし,サービス提供者間の連携促進について考察・提言していく。