2010 年 9 巻 p. 164-171
本稿では,製品の実際の生産地が伝統的な産地と合致している場合とそうでない場合における消費者態度の差異を見ようとしている。生産地情報に関するマーケティング研究はカントリー・オブ・オリジン(COO) 研究としてしばしば取り上げられてきた。だが,当該領域の先行研究は多くがアメリカを中心に発展したものであり,日本ではそれほど着目されていない。だが実務においては日本でも注目されはじめている。そこで本研究では,先行研究を踏まえたうえで事例として日本の伝統的工芸品を取り上げてブランドと生産地情報が消費者知覚に及ぼす影響を調べた。