半導体関連の産業について、日本企業の競争力は川上(半導体材料)の産業ほど高く、川下(半導体デバイス、セット機器)になるほど、競争力が低い傾向にある。ところが、川上側の産業は、市場規模が小さいことから余り注目されていなかった。本研究では、川上側のシリコンウェハーメーカーに焦点を当て、川下側の日本企業が行った技術・経営の戦略と対比させ、川上側の日本企業が競争力を確立した要因を考察した。この結果、早期からのグローバル市場対応、長期レンジの経営計画、巨額な投資の断行という川下側企業とほぼ正反対の戦略によることがわかった。