主催: 日本経営診断学会
会議名: 日本経営診断学会第53回全国大会
開催日: 2020/09/26 - 2020/09/27
p. 105-108
本研究は,わが国の宿泊業において訪日外国人客を受け入れ促進のために,彼らから高い評価を得ている「山城屋」,「澤の屋」,「富士箱根ゲストハウス」の3軒の宿泊業者の事例を概観し,その特徴を導出した。その結果,3軒とも1)古い施設をできる限り活用,2)多言語による館内表示や案内およびホームページ,3)必要かつ十分な英語でのコミュニケーション,4)日本文化を感じられるイベントや工夫,5)家庭的なおもてなし,などが訪日外国人客への魅力として共通していた。これらの結果からの考察を踏まえ,訪日外国人客への受入れ策として,ICT化や多言語化対応などのグローバル化により不満足を低減し,同じ宿泊客や地元の日本人との交流の促進,日本の体験イベント,日本の家庭的なおもてなしによって満足度を高めることを示唆した。