抄録
日々の医療現場では多重課題が常態化し、そのうえに作業の中断や患者の病態変化とい
った課題が加わる中で、医療者は「どの作業を優先すべきか」という意思決定を常に要求されている。
この判断結果が重大な有害事象を招く可能性があるにもかかわらず個人の資質に任されていることが
多い。このような意思決定の場面の学習は、臨場感や没入感が得られる現実味のある教材が望ましく、
XRであれば自身の勤務する環境を忠実に再現した空間で、変化する多重課題場面が体験できると考え
た。今回は我々が制作した学生および多職種医療スタッフの多重課題場面でのノンテクニカルスキル
を学ぶ教材を紹介および使用経験を報告する。