H看護師養成校では、筆者が窓口担当者となり2015年より電子書籍配信サービス(以降
e-Books)の運用を開始した。初年度は教科書のe-Books化率は78%であったが、翌年にはe-Books化が
94%へとなった。さらに非常勤も含め授業で使用するほぼ全てのPowerPointやプリントなども電子化
され、電子化された教科書やPowerPointはe-Booksから自由に閲覧が可能となった。学生は学校より
支給されたタブレットやスマートフォンから、いつでもどこでも教科書や教材を閲覧できる。e-
Booksは何らかの操作をするたびに利用ログが生成される。この利用ログを学習ログとみなして学習
分析を試みた。ところが、看護師養成課程はカリキュラムの都合で臨地実習や長期休暇は利用ログが
著しく変動する。さらに期末試験や進級試験のシーズンはスキマ時間を有効活用した過去のPower
Pointの閲覧数が大幅に伸びる。そのため、単純にe-Booksの利用回数で個人別の時系列分析や国家試
験の合否別の学習分析の比較ができなかった。そこで、月別に利用ログの多い順に順位づけを行い、
多い順位を比較する相対的学習量の変化で解析する分析手法を採用した。この分析手法で分析した結
果、看護師国家試験の合否理由を個人別に示唆することができた。
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