教育工学の研究領域の1つに,教材開発がある.教材開発の方法は,各教科の独自性に依存しており,教育工学的アプローチによる教材開発の研究は数多くない.本研究では,教科内容の独自性に依存する内容に関する提案と,これを基礎にした教育工学的方法による教材作成の両面について報告する.本研究では,世界各地域に設置されている海外日本人学校の理科の教科における,天体教材を対象としている.すなわち,世界各地域で使用可能な「星座早見盤」の開発における視野の形状や分布について,新しい提案をしている.また,マイコンを用いて各地域ごとに適合できる星座早見盤を作成した.本研究の報告は,現実の問題における解決案の提案であり,その考え方および方法について論じている.