抄録
ISDNを用いたテレビ会議システムを多人数の受講者が視聴できるように変更することで,双方向通信の遠隔授業を行うことができる.本研究ではこの遠隔教育システムの特質を受講者の印象調査によって検討した.調査1では短期大学の3回の遠隔講義に対して26項目の質問紙による心理的評価を行った.因子分析の結果,「授業内容」,「音声」,「遠隔教育」,「スクリーン画面」,「モニター画面」,「疲労感」,「質問」の7因子を抽出した.授業システムを直接評価した因子は5つあり,全般に高い評価であった.問題点として,スクリーン画面の精細さと質問のしにくさが指摘された.調査2では受講者の座席位置,受講回数による印象の差を検討した.全体として大きな差は認められなかったが,前方の座席の方が後方よりも受講しやすい傾向が見られた.両調査から遠隔教育におけるテレビ会議システムの有用性を確認した.