本研究は,従来の指標では測定が難しかった問題解決過程における課題困難度,注意の方向(内的注意および外的注意)について,瞬目を指標として検討した.課題として「ハノイの塔」問題を用いた.その結果,(1)円盤をイメージで動かす(内的注意)課題は円盤を実際に動かす(外的注意)課題より有意に瞬目率が高かった.(2)外的注意の課題では,困難度が高くなると瞬目率は有意に増加した.(3)内的注意の課題では,困難度が高くなると瞬目率は有意に増加した.以上の結果,瞬目は課題困難度,注意の方向の指標として有効であり,教育評価の指標として利用できる可能性が示唆された.