本稿では,まず,人間活動のグローバル化,共生の文化ならびICTの発達の視点から,第二言語学習とその支援に関する教育工学研究の重要性を論じ,そのことに鑑みて企画された本特集「第二言語教育とCALL(Computer-Assisted Language Learning)」の趣旨,投稿・採択状況,構成を紹介している.ついで,CALLに関する研究の現状と展望について論じて,深谷氏による研究史的視点からの総説を補い,また,とくに第二言語としての日本語の教育と支援システムに関する研究の源流を紹介して,仁科氏による日本語学習支援システム研究の現状と展望に関する総説を補っている.続いて,採択された論文・資料を分類して各々の概要を紹介し,最後に,今回,投稿論文・資料の査読を通じて,第二言語教育にかかわる教育工学研究と論文執筆ならびに本学会の役割について得た所感と提案を述べている.