抄録
本研究の目的は,日本人大学生の英語コミュニケーション能力を向上させるために開発された中上級英語CALL教材College Lifeを大学の一般教養課程の英語指導で半期間使用し,その教育効果を測定することである.College Lifeは米国カリフオルニア大学バークレー校で取材したインタビュー素材をもとに,3ラウンド・システムと呼ばれる指導理論をもとに開発されたCD-ROM教材である.指導はCD-ROMおよび語彙の自己学習と,その効果を高めるために行われた進度,理解度の確認,別教材による学習方法に関する指示等からなる授業活動の両者をリンクさせた形で実施された.教育効果の測定は指導の前後に実施したTOEIC公開問題のListening Sectionスコアによって観察したが,50点を越える得点上昇が認められ,開発されたCALL教材による自己学習と授業活動を融合させた指導に高い効果が観察された.